便秘外来とは
便秘は、糞便を十分量かつ快適に排出できない状態を指します。慢性便秘症は、この状態が3~6ヶ月以上続く場合を指し、排便回数の減少、便の硬化、排便時のいきみや残便感、下腹部痛、腹部膨満感などの症状があります。
慢性便秘症診療ガイドライン2017では、便秘は「本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態」と定義されています。
症状
主な症状には、排便回数の減少、便の硬化、排便時のいきみ・残便感、下腹部痛や腹部膨満感が挙げられます。便秘症を治療せずに放置した場合には、不快感による家事・仕事の生産性低下のみならず、肛門への過度な負荷による痔の原因にもなります。
対象者
- 排便回数の減少
- 便の硬化
- 排便時のいきみ
- 排便後の残便感
- 下腹部痛
- 腹部膨満感(下腹部がポッコリと出ている)
治療方法
便秘症の原因や治療薬の適性などは人によって大きく異なります。当クリニックの便秘外来では、患者様一人ひとりの便秘の状況にフォーカスし、それぞれに合った治療法を模索して提供いたします。
食事療法・生活習慣指導
大きく食生活の改善と薬物療法の2つを実施していくことが主な改善作となります。
食物繊維
食物繊維は、消化・吸収されずに大腸まで達する食品成分です。食物繊維には、便のかさを増やす作用のある不溶性食物繊維と、便を柔らかくする作用のある水溶性食物繊維の二種類が存在します。基本的には、一つの食材から食物繊維を摂取するよりも、たくさんの種類の食材から水溶性・不溶性のバランスを意識して摂取することが推奨されています。
プロバイオティクス
腸内には、腸内細菌(善玉菌や悪玉菌、日和見菌)が大量に生息しており、その腸内細菌バランスが腸の動きや便の状態に大きく影響します。腸内で善玉菌として作用する食品はプロバイオティクスと呼ばれ、便秘症の解消に効果があることが知られています。プロバイオティクスの代表例には、納豆、キムチ、ヨーグルトなどが挙げられます。
水分
水分の摂取量が不足すると、腸内の便が硬くなることで便秘になりやすくなります。1日に1.5 L以上を目安に水分を摂取することが推奨されています。
油脂
不飽和脂肪酸(オレイン酸など)を多く含む良質な油脂は、便の潤滑油として作用することで排便を促進することが知られています。良質な油脂の代表例には、オリーブオイル、米油、亜麻仁油、エゴマ油などが挙げられます。
以上の食事内容の見直しの他にも、日々の運動習慣や排便時の姿勢、腹部マッサージなどの生活習慣の見直しも、便秘症の解消に効果があるとされています。
薬物療法
便秘薬を使って、腸内に溜まった便の排出を促進します。医療機関で処方可能な便秘薬には様々な種類があり、患者様の便秘の状況や薬の適性を踏まえて当クリニックの医師が処方薬を決定いたします。
刺激性下剤
大腸の動き(蠕動運動)を刺激する薬です。
代表例:センノシド、アローゼン、ラキソベロン、テレミンソフト
塩類下剤など
水分量を増やすことで硬化した便をほぐす薬です。
代表例:カマ、マグミット、モビコール、ラクツロース
その他(上皮変容薬、胆汁酸トランスポーター阻害薬、漢方薬)
消化液の分泌促進により便をほぐす比較的新しい薬(アミティーザ、リンゼス、グーフィスなど)や、天然由来の生薬である漢方薬(大建中湯、大黄甘草湯など)も、必要に応じて処方いたします。
治療頻度
1ヶ月に1~3回程度(症状、治療状況に応じて医師が判断いたします)
料金の目安
当院でのお支払い
初診:約1,000円
再診:約500円
システム使用料:980円
薬局でのお支払い
※当院でのお支払いの他に薬局でのお支払いがあります。
当院でのお支払いについて
保険診療として3割負担の場合の料金の場合、
初診1000円前後 再診500円前後
システム利用料 980円(オンライン診療システムの利用にかかる費用です)
薬局でのお支払いについて
処方されるお薬や日数によってお値段は異なります。
詳しくはご登録いただいた薬局にご確認ください。
※初診の場合にお薬手帳や健康診断結果などの基礎情報がわかるもののご登録がない場合や、その内容によっては処方日数に制限がかかる場合がございます。